百津の家Ⅱ | 新潟木の家 自然素材とテクノロジーを匠が活かす|山口工務店

施工事例

百津の家Ⅱ / Momodu House 2

ファサード_ガルバリム鋼板_木製格子ファサードファサード_ガルバリム鋼板_木製格子ファサード建物南面_ガルバリム鋼板_ウッドデッキ建物南面南面ウッドデッキ南面ウッドデッキ
ファサード木製格子ファサード木製格子夕景ファサード_ガルバリム鋼板_木製格子夕景ファサードリビング、寝室_無垢フロア_シナ合板シナベニヤ_自然素材仕上げリビング、寝室寝室からリビングを見る_無垢フロア_シナ合板シナベニヤ_自然素材仕上げ寝室からリビングを見る
リビング、寝室リビング、寝室リビングからキッチン、寝室を見るリビングからキッチン、寝室を見る造作キッチン、ダイニング、水廻り室造作キッチン、ダイニング、水廻り室造作キッチンとワーキングテーブル下部収納造作キッチンとワーキングテーブル
トイレ・洗面脱衣室トイレ・洗面脱衣室

建築の記憶 ”百津の家Ⅱ” Architectural history

設計から完成に至るまでの建て主の気持ちと、それに応答する設計者の取り組み。
建築プロセスの中から、ほんの一部ですが”建築の記憶”をひも解きます。

”感じのいい家”を求めて

”感じのいい家”を求めて

建て主が家づくりを考える中で違和感を感じていたこと、それはビニールクロスの壁と合板フローリングが包まれた何処か冷たく、パリっとした空間。一時的な住まいのアパートならまだしも、自分が住みたい家はそうでないと話す。

建て主が描く住まいは、ご自身が作った雑誌のスクラップブックでより明確に私(設計者)に伝わってきた。外壁、玄関から始まり、内部仕上げのイメージ、そしてキッチン廻りや照明までスクラップした写真を示しながら建て主は自分が描く家を楽しそうに話してくれた。

そしてこの様な空間を建て主は「感じのいい」という言葉でまとめ表現していた。

優しい木の風合い

優しい木の風合い

内部仕上げについて、建て主が描く素材感は"飾らない木の風合い"。このイメージを具体的にまとめるため、私は空間構成を意識しながら素材選びを始める。

ただ闇雲に内部を木で仕上げてしまっては山小屋のような野暮ったさとなってしまうため、壁と天井にはシナ合板を選び、シナ独特の節のうるささがない落ち着いた品のあるい質感を採用。同様に床も杢目が優しいカバ桜の無垢材を採用。仕上げは天井、壁、床とも木の素材感を活かすオイルフィニッシュとした。

この他にも建具枠や建具についてもシンプルなスタイルを意識しながら材料選定と寸法決め、部材の意匠を決めていくことにした。

Doticon_wht_Pen.gif 関連Blogエントリ
   ・ 「シナ合板オイル(キヌカ)仕上げ|塗装工事」 - 木の風合いを活かす -
   ・ 「床・家具オイル(キヌカ)仕上げ|施主工事」 - 素材の持ち味を引出す -

空間は大らかに仕切る

空間は大らかに仕切る

建て主が希望した空間はコンパクトで仕切りのない室内。幾度もの設計変更を経て、最終的にはトイレを取り込んだ洗面脱衣室を仕切るたった一枚の引戸を残し、他には間仕切りのない一室空間に。とはいえ、将来の可変性を見据え、追加間仕切り・追加収納の準備もしている。

建て主のものに対する大らかさは収納についても一貫している。作り付け家具や棚、キッチンに至るまで扉を無くし自由に使いながらフレキシブルにレイアウトが出来るようにとの希望。これは隠すことで本来不要なものまで仕舞い込んでしまう事を避けるためでもあり、結果的に必要なものだけがそこにあるという状態をつくる住みこなし術。

押さえるところと開くところ

押さえるところと開くところ

小さな建物ボリュームのなかで豊に暮らすため、私が常に意識することは押さえるところと開くところのメリハリ。

百津の家Ⅱでもその精神は一貫しており、一室空間の中で空間的落ち着きを持たせる低目に押さえた天井高。リビングのみ屋根なりの勾配天井で上に抜けた開放感を意識。
そして、南面には大きな開口を設けて外にデッキを繋げる。こうすることで、室内だけの閉じた印象から開放され、外にも視線が抜け、部屋のスケール以上の広がりが獲得できる。

この辺の空間認知は、完成し現実に経験するまではどれ程プレゼンを重ねようとも建て主の方には100%伝わり切らない部分でもある。そんなことから、ある程度は信頼関係の中で完成を任せてもらった。

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   ・ 「3Dパースとその意味」 - 3Dパースは設計者と建て主との共通言語 -
   ・ 「CADウォークスルー」 - 動くCGで空間を伝え、共有する -
   ・ 「開口は景色を切り取る」 - 小さな家で大きく暮らす -

大きなワーキングテーブル

大きなワーキングテーブル

計画の当初から建て主が絶対的にこだわった一つがキッチンのワーキングテーブル。「キッチンは対面ではなく、中央には大きな木のワーキングテーブルを」と。

建て主も機会ある度に探すも既製品では適当なものがなく、私から「それでは作りませんか?」と提案。室内に取れる最大の大きさで、必要な収納棚を組み込んだワーキングテーブルを製作。結果的には要求を満たしながら既製品よりも安く上がっていると思う。

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   ・ 「大工が作るワーキングテーブル|造作工事」 - 要望と機能・意匠を一体に -

外構は目で見て楽しく、収穫も楽しめる

外構は目で見て楽しく、収穫も楽しめる

「緑が欲しいですね」と、建て主は植栽の緑が住まいにもたらす豊かさをわかっておられた。建物裏手には生垣をかねた植栽にガクアジサイをアクセントに使い、女性らしさを意識した目で感じる楽しさを。

建物正面には大小4本の植栽を植え込み、うち2本はジューンベリーなどの果樹に。料理好きの奥さまにとっては、四季によって緑~紅葉~落葉と移り変わる楽しみを感じながら、同時に収穫し食に活かす楽しみも。

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   ・ 「植栽工事|建築に潤いを与え街並みをつくる」 - 植栽は建築と環境のため -

住み始めて

住み始めて

建て主の理想とそこから練り上げた設計は、現場の職人達の手によって”住まい”としてカタチとなり生活の器となった。
新しい住まいでの生活が始まり、建て主から「生活や家事動線が以前よりも楽になり、掃除も楽しくなった」、「ぐっすり寝れて、朝も気持ちよく起きられる」などの感想がいただけたことは、私たち作り手への最高の褒め言葉です。感謝しています。