大屋根に包まれ、勾配天井でつながる木の家
建物は街並みと調和するスタンダードな切妻の大屋根によって形造られている。外壁は印象が柔らかな小波ガルバリウム鋼板を主体とし、玄関周りは唐松のドイツ下見板張りとしている。
大屋根の大らかさと、アプローチの植栽、部分的な木の素材感が一体となり、落ち着きを感じる外観としている。
室内は、大屋根の屋根形状をそのまま活かした吹抜け勾配天井をもつ空間。
天井はシナベニヤ張り、壁は左官壁とした自然素材のナチュラルな素材感で統一している。
機能性と空間に馴染む造作収納家具
キッチンスペースには、造作キッチンと必要な収納量を確保した造り付けの背面収納を配置。
リビングダイニングには、カウンター型の両面収納棚、テレビボードなどを素材の統一を図りながら建築一体で製作。室内のインテリア性を損なうことなく収納率の最大化と、室内意匠の統制を図っている。
吹抜け上の2階フリースペースには、畳コーナーと家族共用のワーキングカウンターを床掘り込み座卓として製作している。
県内初の真空トリプルサッシと、床下エアコン暖房システム採用のエコハウス
建物の断熱と構造性能を支えるものが、断熱気密と構造性能を一体で発揮するHP壁パネルと屋根パネル。このパネル工法により、高い耐震性と高気密高断熱のハイスペックな躯体が実現している。
外部建具には新潟県初採用となったガラス部に真空層を持つ樹脂サッシ、YKK APのAPW330真空トリプルサッシを装備。これにより、窓からの熱の流出を一般の断熱サッシ(アルミ樹脂複合サッシ+ペアガラス)と比べ、概ね1/3に押えている。
また、暖房方式には高効率エアコンを床下に配置した「床下エアコン暖房システム」を採用。床下の土間基礎に蓄熱させながら室内にゆるやかに熱を供給、暖房することで1階床面全面を暖め、冷輻射や上下温度差からくる不快感のない室内に。
床下エアコン暖房は、他の暖房方式と比べても非常にコストパフォーマンスが高く、室温安定にも寄与する質の高い主暖房として機能する。
高性能な躯体と、室内温度差が発生しにくい空調方式により、冬の寒さが厳しい新潟であっても閉鎖的にならず、吹抜け空間を持つ豊かな内部空間が実現できる。
主な仕様・仕上げ
建物
| 家族構成 | 夫婦+子供1人+祖母 |
|---|---|
| 面積 | 敷地面積 - 184.10m2(55.57坪) 建築面積 - 82.81m2(25.06坪) 延床面積 - 130.42m2(39.46坪) |
主な構造・性能
| 構造材 | 柱・梁・大引/越後杉ブランド(県産スギ製品)、一部構造用集成材、土台/ヒノキ |
|---|---|
| 下地材 | 越後杉ブランド(県産スギ製品)、構造用合板、構造用MDF 壁パネル(HP壁パネル) 屋根パネル |
| 構造設計 | 許容応力度計算にて安全確認(積雪1.0m考慮) |
| 温熱設計 | Q値(熱損失係数)/1.75W/m2K μ値(夏期日射取得係数)/0.039 C値(相当隙間面積)/0.8cm2/m2 |
主な外部仕上げ
| 屋根 | ガルバリウム鋼板竪ハゼ葺き |
|---|---|
| 壁 | ガルバリウム鋼板小波張り、から松ドイツ下見板張り |
| 建具 | 樹脂サッシ+真空トリプルLow-Eガラス(YKK AP APW330真空トリプル) |
| デッキ、フェンス | エステックウッド(杉) |
| 塗装 | 化粧梁・破風/プラネットカラー塗り から松ドイツ下見板/ウッドロングエコ塗り |
主な内部仕上げ
| 天井 | 1階/シナベニヤ貼り、ダイニング/左官仕上げ(ゼオライトエコナ) |
|---|---|
| 壁 | 1階/左官仕上げ(ゼオライトエコナ) |
| 床 | 1階/カバ桜無垢フロア貼り 洗面・トイレ/リノリウム貼り |
| 塗装 | 天井シナベニヤ・造作木部・建具枠/プラネットカラーグロスクリアオイル塗り 床/キヌカ塗り 造作キッチン・キッチン背面収納/ウレタン塗装 |
主な内部仕様
| 造作家具 | テレビボード、両面収納カウンター、キッチン背面収納、掘り込みカウンターテーブル、シューズクローク棚、可動棚 |
|---|---|
| 建具 | 製作建具シナ合板フラッシュオスモ塗り、他 |
| キッチン | 造作キッチン |
| 浴室 | ハーフユニットバス(TOTO)+壁タイル・天井ヒノキ貼り |
設備
| 暖房 | エアコン、床下エアコン暖房システム |
|---|---|
| 冷房 | エアコン |
| 給湯 | エコキュート(ヒートポンプ給湯器) |