中島の家

本棚と小上がりがある、一室空間の家

小住宅で空間的にも機能的にも豊かに住まうための回答が”一室空間の住まい”。
小さく機能別に区画して住まう従来の考え方から離れ、間仕切りの無いひと続きの空間に家族が集えるよう計画した。
 
水平に、そして2階に繋がるよう立体的にも一室空間を展開することで、高い外皮性能と合せて温度ムラの少ない快適な室内環境を実現している。
そして、一室空間の周辺には緩やかにプライバシーが必要な水廻り、寝室などの個室を設けている。
 
リビングには外部との繋がりを生む窓とデッキを設け、自然の移ろいを感じながら外部が室内の延長となるようにしている。
また、一室空間の室内の中に小上がり畳コーナーを作り、本棚を背もたれにできる小さなくつろぎの場を設けた。
 

自然素材仕上げと造作家具で目指すミニマルな住まい

一室空間を意匠的にシンプルにまとめるためには統一されたデザインコードが欠かせない。そのためには素材感の統一であり、機能を損なわずミニマルに形態（見た目）を簡素化する必要がある。
 
特に無垢材などの自然素材を多く使いながらもミニマルなデザインを目指すためは、綿密な設計とそれを作る細やかな手仕事が必要となる。しかし、完成した仕上がりは得てしてその労の跡が伺えないことが殆どであるが、作り手としてはこのさり気なさをよい仕事の物差しとしてる。
 
一室空間は住まいとして様々な使い方ができるフレキシブルなものである一方で、様々なものが一望で目に入る。リビングから見えるキッチン、収納、吹き抜けや階段などがその代表格。
こうした各所の目に見える部材や造作家具に統一したデザインコードを適用し作り込むことで、住まい手が必要な機能を最大限に取り入れつつもシンプルで豊かな空間を実現している。
 
また、デザインのトレンドは少なからずその時代を反映するものであるため、ミニマルデザインを目指すことは、結果として普遍的で飽きのこないものを作ることを意味する。これは人の生涯ほどの長さをともに過ごす住宅とも相性がよいと考えている。
 

「長期優良住宅」認定を受けた本質的に優れた住まい

長期優良住宅とは、住まいの基本となる耐震性、耐久性、省エネ性に優れ、また長く住み続けるために維持管理しやすい作りであることなど、様々な性能や機能のハードルをクリアすることで認定される、見た目ではない本質的に優れた住宅。
 
長期優良住宅の揺るぎない基本性能をベースに、シンプルな室内仕上げと造作家具などを配して豊かで安心できる住まいとしている。
 

主な仕様・仕上げ