内野の家

大人がくつろぐ和モダンコテージのような平屋の家

街並みに馴染む町家のような佇まい、そして住まい手がいつか訪れた小さなコテージのような落ち着きある室内を原風景にこの住まいは生まれた。
 
新しさで目に止まることなく、むしろ以前からそこにあったかのような落ち着いた佇まいを目指した外観は、平屋のボリュームを活かし軒高を押さえた安定感と、屋根の稜線の美しさを見せるよう設計検討がなされている。
また、外壁の面格子、玄関前の目隠し格子、木製フェンスなどをあわせることで、日本の伝統的な町家を思わせるよう意図されている。
 
内部空間は、杜にひっそり佇むコテージをイメージしつつ、仕上げに木質素材を多様しながらもアクの少ない落ち着いたシンプルな空間となるよう配慮した。
コンパクトな平屋の家は、生活動線が短く、手を伸ばせば必要なものに手が届く、そんな居心地のいい使い勝手がある。また、室内の高さを僅かだけ低く押さえることで、落ち着きと安定感を与えている。
 

一体感のあるインテリアとするための最高の手段が造作家具

最小限の面積でつくる小さな家で大きく暮らすためには、隠すための壁を取り払ったオープンな室内が基本となる。その際に、収納家具、食器棚、キッチンなどを違和感無く設え、むしろあることすら意識させない、室内に馴染むデザインとすることが重要となる。
そのための手段が、造り付けの家具。更には建物に隙間無く一体として組み付けられる大工による造作家具が最も適している。
 
素材感を統一し、幅や高さを室内に合わせる、繋がる壁の線と家具のラインを揃えるなど、こうした細かな気配りは工場生産ではなく、現場で一つ一つ作っている造作家具に勝るものはない。
 

省エネ基準の1/2以下の燃費、玄関からリビングまで快適ゾーンで暮らせる住まい

小さな家でも温度ムラの少ない低燃費な暮らしを実現するために妥協はしません。
省エネ基準の1/2以下、建物の断熱性能を示すUA値0.38W/m2K、Q値1.42W/m2Kの躯体は現行の省エネ基準の北海道基準を楽にクリアする性能。
 
こうした高い断熱性能を身にまとい、そこへ熱効率が高くローコストなエアコン1台を使った床下エアコン暖房システムを装備することで、家中をゆるやかに包み込む暖房を実現している。
 
目や肌で感じる自然素材の風合いと温かさ、そして、一年を通じて5月のような心地よさを維持する建物と空調システム。
全てにおいて心地よく暮らし続けるための住環境を、高いコストパフォーマンスで実現している。
 

主な仕様・仕上げ